添加物に頼らない、食卓を彩るオリジナルハーブソルトを作ろう!!【VEGETAPSY4コマ-STORY140】

今回の講師はキッチンガーデンの講師をされている先生に教えていただきました。
先生は年間40種類の野菜やハーブを育てながら「ハーブソルト作り」などの講師をされています。
以前は野菜作りとは関係のない会社員をされていましたが”ある出来事”をきっかけに「安全・循環・共存」の野菜作りを実践されています。

このイラストに書かれているものは「あるもの」の成分の一部です。
トリエチルヘキサノイン、水添ポリイソブテン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ポリエチレン、ダイマージリノール酸、リンゴ酸ジイソステアリル、テトラペンタエリスリチル、キャンデリラロウ、ヒドロキシアパタイト、マイクロクリスタリンワックス、ローヤルゼリー、ヒアルロン酸Na、トリイソステアリン、ジイソステアリン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、ケイ素、etc…etc…。
あなたはこの製品の成分表示を見た事がありますか?
私たちも後日初めて見ました。

女性の方なら毎日使っているものです。お肌に直接触れているものです。
先生はこれら添加物のどれかと相性が悪く、アレルギーを持たれてしまいました。
アレルギーを発症し、初めて「あるもの」の正体を知り、添加物の怖さを体験したことで”自分の身は自分で守らなければいけない”という思いからオーガニックの野菜作りを始められた経緯があります。

特に食べるものに気を使い、調べていくと加工食品などにはほとんど自然なものが入っていないくらいに添加物が使用されていることも知りました。
せめて野菜くらいはオーガニックなものを食べたい!!そう思ったそうですがここにも壁があり、F1などの人工的な交配をした種や種子消毒された種、害虫駆除のための農薬問題、多くの人の手によって問題が積み重なっている事にも悩まされたそうです。

今回は先生が教えてくれる、家でも簡単に作れるハーブソルトの紹介です。

数名の参加者と共にオリジナルハーブソルトを作っていきます。

紙コップと完成後のハーブソルトを入れるための容器、使い捨てのスプーンを用意します。
紙コップの中には塩を入れます。塩の種類は海塩や岩塩を使用することがポイントです。
スーパーなどで売られている「食塩」はミネラル分が少ない事と、食塩でハーブソルトを作るとすぐに湿気てしまうので、注意しましょう。

この講習会では先生が自ら育てたハーブを粉末状にし、あらかじめ用意してくれていました。
写真は左からオレガノ、ガーリック、ブラックペッパー(ブラックペッパーなどの木の実系のハーブは育てることが難しいので、市販のものを用意されています。)、この他にもパセリやバジル、黒コショウがありました。

素材がそれぞれ分けられているのには理由があります。
それは各素材の”香り”を確認するため。
一つ一つの香りはそれぞれ強いですが、ハーブソルトになった時に香りの度合いが変化します。

ポイントとしてはガーリックやブラックペッパーなどの香りが強いものは少量しか入れないこと。バジルとガーリックを同じ分量でハーブソルトにしてしまうと、バジルの香りが負けてしまい、ガーリックの香りしかしない事態になってしまいます。
ですのでそれぞれのハーブの香りを嗅いでみて”このハーブは香りがきつい!!”と感じればご自身の判断で調整することもポイントになります。

香りの緩やかなハーブはスプーン大さじ1杯、香りのきついハーブはスプーン小さじ1杯。これがブレンドの基本です。お好みで入れるハーブの種類もその人の腕次第です。
あとは”ガーリックは苦手だ”と思えば除外するのも一つの方法です。
ガーリックを入れずに作ったハーブソルトは、とてもさわやかな香りが楽しめます。
市販で販売されている詰め替え用の小袋に入っているバジル、タイム、パセリがあれば、すぐにハーブソルトが作れます。

私たちはまず、バジル(大さじ1杯)とパセリ(大さじ1杯)を紙コップの中に投入!!

さらにブラックペッパー(小さじ1杯)も投入!!

この様な感じになりました。これらをスプーンで混ぜていくだけです。
簡単ですね!!

均等に混ぜ終わったら、小さな漏斗を使用して瓶詰します。


ハーブソルトを保存する場合は、蓋付きの小瓶がおすすめです。
自作のハーブソルトは香りを楽しむのが醍醐味です。時間がたつにつれて香りは薄くなっていきますので出来るだけ早く、1年以内には使い切るようにしましょう。
作る人によって入れるハーブの分量も種類も変わるので、作るたびに味も香りも変わります。世界に一つだけのオリジナルブレンドを作ってみませんか?

先生はパセリやバジルなどのハーブを自分で栽培し、乾燥させて独自のハーブソルトを作り、それを普段のお料理やハーブティーなどで楽しまれています。
庭などで栽培したものは市販のものと違って香りが強く、無農薬で栽培すれば安全ですね。
お庭や花壇、プランターなどで栽培できるハーブソルトに使えるハーブはパセリ、バジル、オレガノ、ローズマリー、タイムなどがあります。

・パセリはせり科の1~2年草。利尿作用や鎮静作用があります。
禁忌…妊娠中は避けましょう。
・バジルはシソ科の1年草。消化促進や頭痛を和らげる特によく使用される。
禁忌…妊娠中、授乳中、幼児は避ける。
・オレガノはシソ科の多年草。胃腸の調子を整えてくれます。
禁忌…妊娠中は避ける。
・ローズマリーはシソ科の常緑低木。血行を促し、活力を与えてくれるハーブ。
禁忌…妊娠中の長期使用は避ける。高血圧の人にはおすすめ出来ない。
・タイムはシソ科の常緑低木。血液循環を活発にする働きがあり、痰の出すぎを抑える作用があります。
禁忌…高血圧の人にはおすすめ出来ない。

では、どうすれば写真の様な粉末状のハーブを作ることが出来るのか?
先生に聞いてみました。

①畑から使いたいハーブを収穫してきます。
②流水できれいに洗います。
③キッチンペーパーで水分をふき取り、自然乾燥させます。
④そのままでは茎や葉の中に水分が残っているので、電子レンジを使用してさらに乾燥させます。
⑤耐熱皿にキッチンペーパーを敷き、その上にハーブを置く。
⑥通常は2~3分ほど電子レンジで乾燥させますが、先生の場合は一気に乾燥させるのではなく、1分ずつ様子を見ながらこまめに乾燥させていくそうです。
指で触って”パリッ!!パリッ!!”と砕けていく程度が目安です。
⑦水分が残っているとカビが発生しやすくなりますが、やりすぎには注意してください。焦げます。
⑧指で細かく粉砕します。もっと細かくする場合にはミルを使用します。
⑨ガーリックの場合は薄くスライスをし、乾燥させてから細かくしていきます。
☆天日干しでもOKですが、完全に乾燥するまでに時間がかかる事と、日光によって葉が変色してしまう恐れがあるため、電子レンジでの乾燥をお勧めします。
すぐに料理に使いたい場合には、乾燥させなくても生のままみじん切りをして、塩を振りかければ良いですね。

日常のお料理で使う調味料は限られていますが、オリジナルハーブを数種類作っておくことで、毎回違う味が楽しめます。
先生がおっしゃっていました。
「作る過程がものすごく楽しい。

今度はどの配合で作ってみようかな?
この配合ではどんな味がするのかな?
そんな楽しみが出来ます。」
様々な料理に使え、ピザ、パスタなど。先生がおすすめだったのは天ぷら。
通常は天ぷらつゆや抹茶塩を使いますが、ハーブソルトを使えば初めて食べる不思議なおいしさが楽しめます。

―クリスマスに楽しめるハーブティー―
この日は時期的にクリスマスが近い事もあり、クリスマスに合う紅茶の紹介もしていただきました。

左からシナモン、クローブ、コリアンダーシード。
シナモンは別名ニッキ。ペッパー、クローブと並ぶ3大スパイスの一つです。
甘味と苦みを持ち合わせ、苦みはお腹を温め、冷えを癒します。
クローブは和名を「丁子」と言い、常緑高木の花のつぼみを乾燥させたもの。抗菌作用があるため、講習予防やうがいによく使用されます。
コリアンダーシードはパクチーの種。葉は独特な香りがありますが、大きくなると花が咲き種が取れます。種の香りは葉の時とは違い、柑橘系の香りがします。
お肉を焼く時に、コリアンダーシードを一つ潰して入れると美味しい。

これが先生オリジナルの紅茶入りハーブのブレンド。
アッサムを大さじ3杯、シナモンを1㎝、クローブを3粒、コリアンダーシードを3粒、これにカモミールの花(乾燥させたもの)を大さじ3杯入れます。この量で4人分です。
香りを出すためにシナモンとクローブをすりこぎで潰しています。

写真のように大きめのボトルに白湯を入れ、ミックスした上記ハーブを投入します。
この状態のまま2分ほど蒸らします。

カップの上に茶こしを置いて、その上から紅茶を注ぎ入れます。

そのまま飲んでも美味しいですが、ミルクを入れれば絶品です!!
このままでも十分甘味が出ますので、砂糖を入れる必要はありません。
本格的なミルクティーを飲む方法も紹介します。
①鍋に白湯とミックスハーブを入れて煮だす。
②一度火を止め、ミルクを入れる。(白湯とミルクの割合は1:1)
③もう一度火にかけて沸騰直前で火を止める。
④カップに茶こしを置き、紅茶を注ぎ入れる。
こうすることで、温かなミルクティーが楽しめます。
大切なお客様や友人とのティータイムの時にこの方法で紅茶を入れれば、見た目的にも格好良くスタイリッシュですね!!

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