藤咲(FUJISAKI):おい!!鰺の3枚おろし(sannmai-orosi)を
教えるから、軍手を使え。
蒔(MAKI):了解です!!
藤咲((FUJISAKI):新鮮な鰺の選び方は目が透き通っていて
色が鮮やかで、触って身が固いものが良い。
鰺を左に向きにおいて、頭を掴む。
包丁の刃を立てて、尻尾から頭に向かって
こするようにして鱗を取っていく。
藤咲(FUJISAKI):鰺の鰓の取り方は、腹を上にした状態で
包丁を寝かせて、鰺の喉元を押さえると
鰓が開くので、その中に切っ先(kissaki)を
突っ込む。
切っ先(kissaki)で鰓を引っ掛けたまま
まな板に鰓を押さえつける。
鰺を左手でひねるようにして引っ張ると
鰓はきれいに取れる。
藤咲(FUJISAKI):鰺の仲間にはセンゴ(zenngo)という棘の様な
鱗が尻尾の付け根に付いています。
これは下のイラストのように、人差し指で
押さえながら取っていきます。
包丁を前後に細かく動かしながら切ります。
頭付きのまま塩焼きにする時は
右腹に隠し包丁(kakusi-boutyou)を入れて
内臓を取り除いたら、そのまま焼くと良い。
―上イラスト―
※頭付きのまま塩焼きにする場合。
隠し包丁→
内臓を取り出す↓
藤咲(FUJISAKI):頭の取り方は、鰺の頭を左側にして置いて
上のイラストのように、胸鰭の所から
斜めに包丁を入れる。
頭を左に向けたまま、ひっくり返して
同じように包丁を入れる。
骨が固い場合は、包丁の峰(mine)を
左の手のひらで押さえて切る。
藤咲(FUJISAKI):今度は鰺の頭側を右に向けて置いて
上のイラストのように、腹の真下に包丁を入れて
肛門の所まで切る。
下のイラストのように、包丁のあご(ago)で
ワタ(wata…内臓のこと)を取り除く。
真水の流水で、血合いを取るためにきれいに洗う。
歯ブラシで擦れば、きれいに取れる。
※血合い
藤咲(FUJISAKI):ワタ(wata)を取った後、腹の下に包丁を入れて
中骨に沿って尻尾までを切る。
中骨の上に刃が乗って、滑るように切れていくのが
分かりますか?
その感覚を覚えなければいけません。
時計回りに反転させて、背中側も同じように
尻尾から頭に向かって切っていきます。
藤咲(FUJISAKI):これで背骨部分に身がくっついている状態になる。
尻尾の部分に包丁を突き刺して、尻尾から
頭に向かって切ることで、背骨と身を
切り離すことができます。
この時、イラストの丸印の部分(ここを摘まむ↓)を
左手の親指と人差し指で、摘まみながら持つこと。
藤咲(FUJISAKI):最後に腹骨を削ぎ落します。
この時は柳包丁(yanagi-boutyou)を使うと
作業しやすいでしょう。
上のイラストのように包丁の刃を上に向けて
切ることを逆刃(sakaba)と言います。
先程2枚に分けた時の、背骨の付いていない方の
片身を用意します。身を上にして置きます。
よく見ると、おなかの部分に骨がありますね。
この骨を取り除いていきます。
逆刃(sakaba)の状態で、腹骨の付け根辺り
身で言うと”真ん中”、背骨があった部分に
近い場所から包丁で切り目を入れます。
上のイラストのように、尻尾側から
頭に向かって切っていくと行いやすいです。
切り目を入れたら、今度は包丁を
普通に持ち替えて、腹骨を削ぐように
切り落としていきます。…これが難しい。
腹骨を削ぐと同時に、腹鰭があるので
これも切っておきます。
―下イラスト―
※腹鰭も切っておく
ここまでの状態が2枚おろし(nimai-orosi)です。
残りの背骨が付いている片身も、同じように処理すれば
骨なしの片身2枚、背骨1枚に分かれます。
これが3枚おろし(sannmai-orosi)です。
藤咲(FUJISAKI):余談です。生食で刺身にする場合、
背骨があったところに小骨があるので、
それを取り除きます。
指先で触ってか確認しながら、骨抜き(honenuki…
ピンセットも可)で抜いていきます。
皮の剥がし方は、頭側の皮を少しめくった後、
身を押さえながら引っ張ると、綺麗に取れます。
―上のイラスト―
骨抜きをしている状態
―下のイラスト―
皮を剥がす状態→右斜め上に引っ張ると良いでしょう。
藤咲(FUJISAKI):後はそれを切れば、刺身になる。
もう一枚の片身で、骨を外してみろ。
そうそう、その調子…
蒔(MAKI):あ!!