得(EL):今日は、この家の特殊な施錠方法を紹介します。
得(EL):
この家は昭和初期に建てられ、あちこちに不具合が生じています。
柱は傾いている、電気の配線はむき出しのまま、土壁も剥がれ落ち、扉には穴も開いています。
しかし、修理や修正は一切行っておりません。
お客様が出入りする玄関も、その一つ。
その玄関扉は大きくて重い。しかも施錠するための鍵が付属していません。
鍵を取り付けるための穴は開いていますが、鍵を取り付けていないため、穴から外の風景が良く見えます。
得(EL):
今から買い物に出かけるので、この家の施錠方法を解説します。
玄関の横には木製の棒が常備されていますので、手に持って準備をします。
得(EL):
次に玄関扉を半分ほど開け、扉の後ろに木製の棒を設置します。
そのようにしておき、木製の棒が倒れないように注意を払いながら、ゆっくりと扉を閉めます。
clatter!!
得(EL):では、行ってきます。
帰宅した得(EL):
これがこの家の施錠方法です。
出かける前にはきちんと施錠されているかどうか、確認をしておきましょう。
玄関扉を開けてみて、開くようであれば失敗です。
最初は戸惑いますが、慣れてしまえば簡単です。
え?私が家の中に入る方法ですか?
得(EL):
それは心配いりません。
玄関の横には”前栽-garden-“に入るための出入り口があり、ここは24時間フルオープンです。
ちなみにこの家が出来てから今日まで、泥棒には一度も入られておりません。
外観があまりにも古く、金品がないように見えるのでしょうか?
それともこの家が平和な田舎にあるからでしょうか?
いずれにしても被害がなかったことは良い事ですね。
これからも犯罪の無い平和な暮らしを目指せるように祈っています。
―前栽―
元々は武家屋敷や社寺に設けられた草木を植えた庭や植え込みのことで、日本の伝統的な民家に設置される場合、道路に面して設置されることが多いです。
道路側に大きな石組をし、その上にブロックで塀を作り、家側に草木やコケなどを植え込んで作ります。
明治時代以降は庭造りが自由化され、前栽を造る事が一つのステータスになっていましたが、きちんと耐震構造を講じなければ地震などで倒壊することも多く、現在の一般住宅に設けられることは少なくなってきました。