その日の夜に電話がかかってきた。
ヨレタ(YORETA)の母:ヨレタ(YORETA)~。
女の子からあなたに。
女の子から電話がかかってきた時は、ものすごくうれしかった。
もっともっと話していたかった。
しかし、この時は電話での話を早く切り上げる必要があった。
両親の機嫌が悪くなる事が、分かっていたからだ。
そうなると、とても面倒くさい事になる。
女の子:”ヨレタくん(YORETA)。バラの花束が届いたよ。
ねぇ?どうして送ってくれたの?”
ヨレタ:た…君の誕生日だろ?だから送ったんだ。
…誕生日、おめでとう。
ほら、また始まった…。
女の子:”ありがとう。”
ヨレタ(YORETA):ごめんね。俺は今、忙しいんだ。
入浴後のお父さん:お前は誰と電話で話しているんだ!!ぼけ!!
入浴後のお父さん:お前はこれから何をしなければいけないのか
理解をしているのか!!
農林水産省の学校に行って、勉強をする!!
それなのに、女の子と仲良くしてはいけない!
一体お前は何をしているんだ!!
どこの女の子だ!!
俺が話をして、怒ってやる!!
電話番号を言え!!何番だ!?
オレの父親は怒ると何をするかわからない。
本当に電話をする危険性が十分にある。
とりあえず、父親の目線を女の子から遠ざけなければいけない。
とにかく時間がなかった。最適な方法も見つけられなかった。
どうすれば良いかわからないまま、慌てていた。
そして、女の子に対し”連絡する事を、一度休止する”の手紙を送ってしまった。
それが、おれがやってしまった大失敗だ。
―手紙の内容―
俺には農業のライバルが存在します。
相手をどうしても倒さないといけません。
だから、連絡を取り合うことを、一度”休止”します。
農業研修が終わり次第、また電話します。
急にこんな話をして、ごめんなさい。
蒔(MAKI):どうしてそんなことをしたの?
そんな手紙一枚で、納得すると思う?
女の子も”はぁ?”って思うよ。
得(EL):それはやっちゃあいけない事だね。
ヨレタ(YORETA):当時の自分の家庭環境にも問題があった。
女の子に対する接し方にも問題があった。
俺は全部に自信がなかった。
俺は…自信がなかったから、逃げたんだ。